モカマタリNo9

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モカマタリNo9.

コーヒールンバの歌詞のなかで唄われているイエメン産のコーヒー豆のひとつ。

とびきりにお気に入りの生豆を久し振りに焼いてみた。少し深めのシティーロースト。酸味を少し残してカリッと香ばしいモカ臭と程よい苦みを出す。モカといえば浅煎りが常道だが、俺のベスト焙煎は中深のシティローストだ。

飲んだ時の舌に伝わる苦みと口に広がる心地よい酸味、そして喉を通る時鼻に抜ける独特のモカの匂い。数あるモカコーヒーのなかでもマタリNo9の香りは秀でて気品がある。

モカの産地よいえばエチオピアとイエメン。日本のコーヒー屋でよく使われているモカエチオピア産のシダモやイリガチェフなどがメジャーだ。値段が安く品質が安定しているからだろうか。一方、イエメン産のモカはコーヒーショップで見かけることが少ない。生豆の値段がエチオピア産の安いものと比べ2倍することと、品質が安定していなく、生豆に欠点豆が多いためだろうか。f:id:jun369:20180803155337j:image見栄えのあまりよくないマタリの生豆と取り除いた欠点豆たち
f:id:jun369:20180803155342j:imageモカマタリNo9はイエメン産のモカである。マタリの中でもNo9は最高級とされるが、エチオピア産と比べると、やはり豆の状態(色や大きさ)にばらつきがあり、発酵やカビで変色した豆や未成熟の豆、割れた豆など不良な豆が沢山混じっている。全体の多い時は3割くらいの欠点豆をハンドピックで取り除かないと、美味しいコーヒーにならない時もある。普通のコーヒー屋であまり扱われないのは、その辺りが理由かもしれない。

そんなわけで、焙煎にとても手のかかる豆なのがモカマタリという豆なのだ。コーヒーの原種に近い豆で品種改良もせず、今でも原始的な生産にこだわるイエメンのコーヒー農家。だからこそ他のコーヒーには絶対にない独特の香りと味わいの世界がモカマタリの魅力だ。コーヒー好きの人がどこかのコーヒー屋や喫茶店モカマタリに出会ったら、是非一度飲んでみることをお勧めしたい。マタリ独特の香りの世界は、あの名曲「コーヒールンバ」を思い出させてくれるかもしれない。